オペ室は、患者の命を守るうえで、何より清潔であることが求められる場所です。ほんの少しの感染リスクが命取りになるため、ちょっとのほこりや微生物が空気中に漂うことも許されません。この高度な衛生環境を支えているのが、オペ室清掃員です。彼らに求められるのは、単なる掃除スキルではありません。現場では、専門的な知識と細心の注意が不可欠であり、よりプロフェッショナルな衛生管理スキルを必要とされます。
オペ室清掃員の作業時は、感染リスクから身を守るため、専用の保護具を着用しなければなりません。マスクや手袋はもちろん、全身を覆うガウンや帽子など、徹底した装備で臨みます。これにより、患者や手術室内の衛生を守るだけでなく、自分自身が病原体に触れるリスクも防ぎます。清掃の際は、病院が定めた厳しいマニュアルに沿って作業を進めます。手術で使用した医療機器の片付け、血液・体液などの清掃を決められた方法で正しく処理し、床や壁、手術台などを丁寧に消毒しなければなりません。このマニュアルを遵守することは、手術室の衛生を保つうえで最も重要なことの一つといえます。
また、オペ室清掃員として働く際は、いくつかの注意点を守らなければなりません。具体的な事例として挙げられるのが、作業前後の手洗い、清掃に使う消毒液の適切な使用(医療用薬剤の使用・濃度の厳守等)、清掃箇所の見落とし防止の徹底などです。これらの細かい注意点を守ることが、安全な手術環境の提供および、手術成功の基盤になっているのです。オペ室清掃員は、直接患者と関わることはほとんどありませんが、医療現場の一員として手術を支える、なくてはならない大切な存在なのです。